新居への引っ越しや洗濯機の買い替えを機に、「排水口と洗濯機の距離が遠くて排水ホースが届かない」という問題に直面したことはありませんか?あるいは、「洗濯機を置きたい位置が決まっているけれど、標準の排水ホースでは長さが足りない」というケースも少なくありません。
このような場合、洗濯機の排水ホースを延長することで問題を解決できます。しかし、ただ延ばせばいいというわけではなく、適切な方法で延長しないと水漏れや排水不良などのトラブルを引き起こす可能性があります。
本記事では、洗濯機の排水ホースを安全かつ効果的に延長する方法と、おすすめの延長用アイテムを詳しく紹介します。DIY初心者の方でも簡単に取り付けられる商品を厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
洗濯機の排水ホースを延長する前に知っておくべきこと

排水ホース延長の注意点
排水ホースの延長は簡単そうに見えますが、いくつかの重要な注意点があります。
1. 最大延長距離を守る
多くの洗濯機メーカーは排水ホースの最大延長距離を3m程度と推奨しています。あまりに長く延長すると排水の効率が低下し、洗濯機の故障原因になることがあります。
2. 高さ制限を確認する
排水ホースの先端が床から高すぎると正常に排水できないことがあります。一般的に洗濯機の排水ホースの先端は床から10cm以上、高くても1m以下に設置するのが適切です。
3. ホースの内径を合わせる
延長用ホースは必ず元の排水ホースと同じ内径のものを選びましょう。内径が合わないと接続部分から水漏れする可能性があります。

内径が違うホースを接続したことがあるけど、水漏れ対策でコーキング剤やシーリングテープをを駆使して、かなり苦労したよ…
日本の一般的な洗濯機は内径30mm前後が多いですが、製品によっては32mm以上の場合もあります。
4. 勾配をつける
排水をスムーズにするために、延長したホースは排水口に向かって下り勾配(1〜2度程度)になるように設置します。水が逆流しないようにするためです。
排水ホース延長のメリット
1. 洗濯機の設置場所の自由度が上がる
延長することで、排水口から離れた場所にも洗濯機を設置できるようになります。特に賃貸物件など排水口の位置が固定されている場合に有効です。
2. レイアウトの自由度が増す
限られた空間の中で、最も使いやすい位置に洗濯機を置けるようになります。洗面所や浴室の使い勝手も向上します。
3. 既存の排水設備を生かせる
新たに排水口を設ける工事をすることなく、既存の設備を活用できます。特に集合住宅では工事が難しい場合が多いため、ホース延長は経済的な解決策になります。
洗濯機の排水ホース延長の方法

必要な道具
- 排水ホース延長キットまたは延長用ホース(今回紹介する製品など)
- ホースバンドまたはホースクランプ(多くの場合、製品に付属)
- カッター(必要に応じてホースを切る場合)
- 防水テープまたはシールテープ(接続部の補強用)
- 水平器(ホースの勾配確認用)
- 巻き尺(距離測定用)
- ドライバー(ホースバンド締め付け用)
延長手順
1. 現状の確認と準備
まず、現在の排水ホースの内径を測定します(多くの日本の洗濯機は30mm前後)。次に必要な延長距離を測定し、排水口までの距離に20〜30cmの余裕を持たせて計算しましょう。部屋のレイアウトも考慮し、ホースの通し方をイメージしておきます。
2. 適切な延長方法の選択
排水ホースの延長方法は以下の3つから選べます:
- 専用の延長キットを使用する方法:必要なパーツがセットになっているため初心者でも安心です。
- ホースをつなぎ合わせる方法:調整可能なホースクランプ付き製品を使えば、異なる径のホース同士でも接続できます。
- ホース全体を長いものに交換する方法:3mの延長ホースなどを使って、元のホースごと交換する方法もあります。
3. 接続作業(詳細ステップ)
- 準備: 洗濯機の電源プラグを抜き、給水栓を閉めます。タオルや雑巾を用意し、排水ホース内に残った水が漏れても対応できるようにします。
- 既存ホースの確認: 元の排水ホースの状態を確認し、劣化している場合は全交換を検討します。
- 接続作業:
- 延長キット使用の場合: 専用ジョイントに元のホースを差し込み、ホースバンドで固定。反対側に延長ホースを接続します。
- ホースクランプ使用の場合: ホースの端を清潔にした後、クランプを緩めた状態でホースに通し、ホース同士を突き合わせてからクランプを締めます。
- 全交換の場合: 洗濯機側の元のホース接続部を確認し、新しいホースを適切な長さに切断して取り付けます。
- 固定と確認:
- ホースバンドをドライバーでしっかり締め付けます(締めすぎるとホースが潰れるので注意)
- 接続部をシールテープで巻いて補強することも有効です
- ホースが折れ曲がったり、潰れたりしていないか確認します
- 設置と勾配調整:
- 延長したホースを排水口まで配置します
- 水平器を使い、排水口に向かって約1〜2度の下り勾配をつけます
- ホースが浮いている部分は、1m間隔で固定具を使って支えると良いでしょう
4. 徹底的な動作確認
- 少量の水を手動で流し、接続部から水漏れがないか確認します
- 問題なければ洗濯機の排水のみのコースを動かしてテストします
- 最後に実際に少量の洗濯物で通常コースを動かし、排水が正常に行われるか確認します
- 1週間ほど様子を見て、経時的な問題が発生しないか確認しましょう
おすすめの排水ホース延長アイテム5選

1. SANEI 洗濯機排水ホース PH64-861T-2
主な特徴
- 長さ:2m
- 内径:30mm(一般的な洗濯機の排水ホースサイズに対応)
- 旧社名:三栄水栓製作所
- 日本製
- ねじれに強いスプリング構造
メリット
- 信頼の日本製で耐久性が高い
- 適度な硬さで折れにくく、排水効率が維持できる
- 洗濯機メーカーを問わず、多くの機種に対応
- スプリング構造でホースの潰れを防止
気になる点
- ホースが若干硬めで、狭い場所での取り回しにやや工夫が必要
- 別途接続用のホースバンドが必要な場合がある
2. SANEI 洗濯機排水延長用ホース PH64-861T-1M-I
主な特徴
- 長さ:1m(短めの延長に最適)
- 内径:30mm
- 材質:塩化ビニル
- 内部スプリング入り
- アイボリー色
メリット
- 1mという使いやすい長さで、短距離の延長に最適
- 適度な硬さで形状が保たれ、排水の流れを妨げない
- アイボリー色で室内の雰囲気を損ねにくい
- 内部スプリングで折れ曲がりを防止
気になる点
- 色が付いているため排水の状態が見えない
- 既存ホースとの接続には別途ホースバンドが必要
3. RSMACH 洗濯機排水延長ホース 3m
主な特徴
- 長さ:3m(最大推奨距離)
- 内径:32mm〜40mm対応
- カラー:グレー
- 可動性のある素材
- 3m〜10mのサイズ展開
メリット
- 最大推奨距離の3mという長さで、遠くの排水口にも対応
- 弾力性があり、取り回しが容易
- 複数サイズから選べるため、必要な長さに合わせられる
- グレーの色味で汚れが目立ちにくい
気になる点
- 非常に長いホースのため、適切な勾配をつけるのに工夫が必要
- 使用しない余分なホースの処理が必要になることがある
4. DFsucces 洗濯機用排水ホース

主な特徴
- 内径:32mm〜42mm対応(多くのサイズに適合)
- ホースクランプ付き
- 柔軟性と耐久性を兼ね備えた素材
- 直径調整可能
メリット
- 幅広い内径に対応しているため、ほとんどの洗濯機に使用可能
- 付属のホースクランプで水漏れしにくい接続が可能
- 径の調整ができるため、異なるサイズのホースとの接続も容易
- 柔軟性があり、取り付けしやすい
気になる点
- 径が調整できる分、特定のサイズに完全固定するのが難しいことがある
- コルゲート(波型)構造のため、内部に汚れが溜まりやすい
5. WYTTBD 洗濯機排水ホース ホースクランプ付き

主な特徴
- 内径:32mm〜42mm対応
- ホースクランプ付き
- 弾力性があり変形しにくい
- 排水効率を高める内部構造
メリット
- 弾力性と耐久性のバランスが良く、長期間使用できる
- ホースクランプが付属しているため、別途購入不要
- 変形しにくい構造で、排水効率が長期間維持できる
- 多くの洗濯機メーカーに対応する汎用性
気になる点
- コルゲート構造の内部は時間が経つと汚れが蓄積する可能性がある
- 取り付け時にしっかりと締めないと水漏れのリスクがある
よくある質問(FAQ)

Q1: 排水ホースの延長で水漏れが心配です。ホースクランプ付き製品は信頼できますか?
A: ホースクランプ付き製品は適切に取り付ければ十分な防水性があります。取り付け時には以下の点に注意しましょう:
- クランプを均等に締める(片側だけ強く締めない)
- ホースの端が完全に重なっていることを確認する
- 試運転で少量の水を流して確認する
- 1週間程度は定期的に接続部を確認する
また、メーカー純正の延長ホースを使うと、さらに安心です。
Q2: 3mの延長ホースは実際に使っても問題ないのでしょうか?
A: 3mまでの延長は多くの洗濯機メーカーが認めている最大距離です。ただし、以下の点に注意が必要です:
- 必ず下り勾配をつける(水平〜上り勾配はNG)
- 途中で極端な曲がりを作らない
- 定期的に排水状態を確認する
- 自動洗濯機の場合、排水に時間がかかるようであれば短くすることを検討する
Q3: 32mm〜42mm対応のホースと書かれていますが、日本の一般的な洗濯機に合いますか?
A: 日本の一般的な家庭用洗濯機の排水ホース内径は約30mmです。「32mm〜42mm対応」と表記されている製品は、伸縮性のある素材で作られているため、多くの場合30mm程度のホースにも対応できます。ただし、購入前に自分の洗濯機のホース径を測定し、適合するか確認することをおすすめします。
Q4: 内部スプリング入りのホースと、コルゲート構造のホースではどちらが良いですか?
A: それぞれメリットがあります:
内部スプリング入りタイプ
- 潰れにくく排水効率が安定
- ねじれに強い
- 長期的な耐久性に優れる
- ただし、柔軟性がやや低い
コルゲート構造タイプ
- 柔軟性が高く取り回しが容易
- 狭いスペースでの設置に適している
- 調整可能な径で様々な洗濯機に対応
- ただし、内部に汚れが溜まりやすい
使用環境や優先したい特性によって選ぶと良いでしょう。
Q5: 排水ホースを延長した後、排水時に「ボコボコ」という音がします。問題ありませんか?
A: 排水時の「ボコボコ」音は、空気の逆流や不均一な排水を示している可能性があります。以下の点を確認しましょう:
- ホースが適切な下り勾配(1〜2度)になっているか
- ホース内に空気が溜まる「たわみ」がないか
- 排水口との接続部分が適切か(排水口に深く差し込みすぎていないか)
- コルゲート構造の場合、凹凸が大きすぎないか
軽度の音であれば問題ありませんが、大きな音が続く場合は排水効率が低下している可能性があるため、設置方法を見直してください。
排水ホースを正しく延長して快適に洗濯しよう

洗濯機の排水ホース延長は、本記事で紹介した適切な製品を選び、正しい方法で取り付ければ、特別な技術がなくても安全に行えるDIY作業です。排水ホースを延長することで、洗濯機の設置場所の自由度が広がり、限られた空間を有効活用できます。
特に重要なポイントは以下の5点です:
- 適切な長さで延長する(最大3mまでを推奨、1mや2mの使いやすい長さの製品もあります)
- 洗濯機に合った内径のホースを選ぶ(一般的な日本の洗濯機は約30mm、32mm〜42mm対応で調整可能な製品もあります)
- 確実に接続して水漏れを防ぐ(付属のホースクランプでしっかり固定)
- 適切な下り勾配をつける(排水効率を保つため1〜2度の勾配が理想的)
- 定期的なメンテナンスを行う(特にコルゲート構造のホースは内部の清掃が重要)
これらの注意点を守れば、水漏れや排水不良などのトラブルを防ぎ、長期間快適に使用できます。紹介した製品はいずれも信頼性の高いものですが、ご自身の洗濯機や設置環境に合わせて選ぶことが大切です。
日本製の製品は安心して使えるものが多いですが、柔軟性や調整可能な径が必要な場合は様々な選択肢があります。設置後は必ず動作確認を行い、問題がないことを確認しましょう。
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