DIYの強い味方、インパクトドライバー。ネジ締めや穴あけを、素早くパワフルに行ってくれる便利な電動工具です。しかし、いざ選ぶとなると、種類が多くて迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、DIY初心者の方にとっては、どのメーカーのどのモデルが良いのか、電圧はどれくらいが適切か、など、コスパ良く選ぶための基準が分からず、困ってしまうことも多いでしょう。また、既に工具を揃えている方も、有名メーカーのおすすめモデルを把握して、買い替えの参考にしたいですよね。
この記事では、DIY用インパクトドライバーの選び方を電気工事や建設工事に長年携わってきた、当サイト管理人が徹底解説!電圧の違い、バッテリーの種類、注目の機能などを詳しく説明します。
1. インパクトドライバーとは?:電動ドライバーとの違い
インパクトドライバーは、ネジ締めや穴あけなどの作業を効率的に行う電動工具です。まずは、電動ドライバーとの違いや、インパクトドライバーの特徴を理解しましょう。
インパクトドライバーの仕組みと特徴
インパクトドライバーは、回転方向に打撃を加える(インパクト)ことで、強力なトルク(回転力)を生み出します。この仕組みにより、長いネジや硬い材料へのネジ締め、ボルトやナットの締め付けなどを、素早く、力強く行うことができます。
電動ドライバー(ドリルドライバー)との違いは?
一方、電動ドライバー(ドリルドライバー)は、回転のみでネジを締めたり、穴を開けたりします。こちらは繊細な作業や木工におすすめです。
インパクトドライバー
- メリット:
- 強力なトルク: 長いネジ、太いネジ、硬い材料へのネジ締めが得意で、作業効率も上がります。
- スピーディ: パワーがあるので、作業時間を短縮できます。
- 小型・軽量: ドリルドライバーと比較して、小型・軽量なモデルが多い傾向にあります。
- デメリット:
- 打撃音・振動が大きい: 打撃を伴うため、作業時の騒音や振動が発生します。
- 微調整が難しい: トルクが強いため、締め付け加減の微調整が難しい面もあります。
電動ドライバー(ドリルドライバー)
- メリット:
- 静音性に優れる: 動作音が静かで、振動も少ないため、近隣への配慮が必要な場面でも使いやすいです。
- トルク調整が可能: 多くのモデルで、トルク調整機能を備えているので、材料やネジの大きさに合わせて作業できます。
- 繊細な作業が得意: 小さなネジを締めたり、柔らかい材料に穴を開けたりする作業に適しています。
- デメリット:
- パワーが弱い: インパクトドライバーに比べると、パワーが劣るため、固い素材を扱う作業には向きません。
- 作業時間がかかる: 長いネジや硬い材料へのネジ締めには、インパクトドライバーと比較して時間がかかります。
結論: 用途に合わせて使い分ける
- パワーとスピード重視: インパクトドライバー
- 静音性と繊細さ重視: 電動ドライバー(ドリルドライバー)
2. DIY用インパクトドライバーの選び方:コスパで選ぶための5つのポイント
ここでは、DIY用インパクトドライバーをコスパで選ぶために、重要な5つのポイントを解説します。
電圧(V)で選ぶ:パワーと作業量の目安
インパクトドライバーの電圧は、主に10.8V、14.4V、18Vの3種類があります。電圧が高いほどパワーが強く、一度の充電で多くの作業ができますが、その分、本体が重くなる傾向にあります。使用頻度や用途によって選びましょう。
当サイト管理人のアドバイス
現場で使うプロ用は、今は18V以上が主流ですが、最近は36Vなんていう、さらに高電圧のインパクトドライバーも出てきていますね。パワーは確かに魅力ですが、その分、重くて取り回しに苦労することもあります。
私が電気工事をメインでやっていた時は、10.8Vの軽量モデルを愛用していました。電気工事では、配線のためのちょっとした穴あけや、器具の取り付けなど、細かい作業が多いんです。そんな時に、10.8Vは軽くて取り回しが楽なので、重宝しましたね。もちろん、パワーが必要な作業には向きませんが、電気工事なら10.8V。場合によっては14Vもあれば十分対応可能です。
一方、日曜大工で、ウッドデッキを作ったり、大きめの家具を組み立てたりするなら、パワーのある14.4Vや18Vがおすすめです。特に、14.4Vはパワーと重量のバランスが良いので、女性やDIY初心者の方でも扱いやすいと思いますよ。本格的に大工仕事をするなら、18V以上のパワーがあるものを選びましょう。そういった意味で、ご自身のDIYのレベルに合わせて選ぶ必要がありますね。」
- 10.8V:
- 特徴: 軽量・コンパクトで扱いやすい。女性でも片手でラクに扱えます。
- 用途: 家具の組み立て、ちょっとしたDIYにおすすめ。
- パワー: 小さめの木材へのネジ締め、木工ドリルでのちょっとした穴あけ程度です。
- 14.4V:
- 特徴: パワーと重量のバランスが良い。
- 用途: DIY全般、本格的な作業にも対応可能。幅広い用途に使えるので、迷ったらこの電圧帯から選ぶのがおすすめです。
- パワー: 長めのコーススレッドを使用したDIY、固い材質への穴あけなど。
- 18V:
- 特徴: 最もパワフルで、作業量が多い。
- 用途: プロ向け、長時間の作業、ハードなDIYに最適。
- パワー: 高トルクを活かした金属へのネジ締めや穴あけ、建築現場など。
バッテリー容量(Ah)で選ぶ:作業時間に直結
バッテリー容量は「Ah」(アンペアアワー)で表示され、数値が大きいほど、一度の充電で長く使えます。
- 目安:
- 2.0Ah以下: 軽作業向け
- 3.0Ah以上: 長時間の作業向け
ポイント:予備バッテリーがあると安心! 作業を中断せずに済むので、効率が上がります。最初からバッテリーが2つセットになっているものがおすすめです。
バッテリーの種類で選ぶ:主流はリチウムイオン電池
- リチウムイオン電池:
- 特徴: 軽量、高容量、メモリー効果(電池を使い切らずに充電を繰り返すと、電池の容量が減ってしまう現象)が少ない、自然放電が少ない、パワーがある。
- メリット: 現在の主流。高性能で使いやすい。
- デメリット: 価格が高め。
- ニカド電池:
- 特徴: メモリー効果がある。
- メリット: 価格が安い。
- デメリット: パワーが弱く、寿命が短い。自然放電が多い。
- ニッケル水素電池:
- 特徴: ニカド電池よりメモリー効果が少ない。
- メリット: ニカド電池より高性能。
- デメリット: リチウムイオン電池より性能が劣る。
ポイント:リチウムイオン電池搭載モデルがおすすめ! 最近は、ほとんどのメーカーがリチウムイオン電池を採用しています。
最大トルク(N・m)で選ぶ:パワーの指標
最大トルクは、インパクトドライバーのパワーを示す数値です。「N・m」(ニュートンメートル)という単位で表示され、数値が大きいほど、強力なパワーでネジを締め付けられます。
- 目安:
- 100N・m以下: 軽作業向け
- 100~160N・m: DIY向け(多くの14.4Vモデルがこの範囲)
- 160N・m以上: プロ向け、ハードな作業向け
ポイント:DIYなら100~160N・mがおすすめ! 自宅でのDIY作業には、この程度のパワーがあれば十分対応できます。
その他の機能・特徴:あると便利な機能は?
- LEDライト: 暗い場所での作業に便利です。ネジ穴を照らしてくれるので、作業効率がアップします。
- 無段変速: スイッチの引き具合で、回転速度を調整できる機能。初心者の方でも、材料に合わせて、最適なスピードで作業できます。
- 打撃力切替: 作業内容に合わせて、打撃力を調整できる機能。仕上げ作業など、繊細な作業に便利です。
- 正逆転切替: ネジを締めたり緩めたりする際に、回転方向を切り替えられる機能。当然、ほとんどのモデルに備わっています。
- チャックのタイプ: ビットの取り付け部分のタイプも確認しましょう。六角軸タイプが一般的ですが、ドリルチャックタイプやキーレスチャックタイプもあります。
- 防塵・防滴性能: 屋外での作業が多い方は、防塵・防滴性能を備えたモデルを選ぶと安心です。
特にLEDライトが付いてるかどうかは、作業効率にかなり影響するよ
ビスの頭が暗くて見にくい時もすごく助かるよ~
3. コスパで選ぶ!DIY向けインパクトドライバーおすすめ5選
ここでは、上記の選び方を踏まえ、価格、性能、機能のバランスに優れた、コストパフォーマンスの高いインパクトドライバーを5つ厳選してご紹介します。
マキタ インパクトドライバTD173DRGX(18V)
オリーブカラーのインパクトかっこいいよね
- 特徴: 国内トップシェアを誇るマキタの、18Vインパクトドライバー。あらゆるシーンで扱いやすい、小型・軽量タイプ。全方向の視認性が良い、リング状のLEDライトを搭載しています。
- 電圧: 18V
- バッテリー容量: 6.0Ah
- 最大トルク: 180N・m
- 機能: LEDライト、無段変速、打撃力切替(4段階)、正逆転切替、防塵・防滴
- メリット:
- 高い性能、パワーも十分で、スムーズな作業が可能。
- バッテリーの持ちが良いので、長時間の作業にも安心です。
- 幅広い作業に対応できる、4段階の打撃力切り替えモードを搭載。
- 気になる点:
- 性能は申し分ないですが、今回紹介する商品の中では高価格です。
- こんな人におすすめ: 頻繁にDIYでインパクトドライバーを使用する人や、パワーを重視する人におすすめです。
HiKOKI(ハイコーキ) 14.4V インパクトドライバ FWH14DF
- 特徴: 日立工機の後継ブランド、HiKOKIの14.4Vインパクトドライバー。全長135mmと、クラス最短のコンパクト差を実現しています。使い勝手の良いコードレスタイプです。
- 電圧: 14.4V
- バッテリー容量: 2.0Ah
- 最大トルク: 150N・m
- 機能: LEDライト、無段変速、正逆転切替
- メリット:
- 14.4Vモデルとしては、手頃な価格設定です。
- 全長が短く、扱いやすい。
- 気になる点:
- バッテリー容量がやや少なめなので、長時間の作業には予備バッテリーが必要です。
- こんな人におすすめ: これからDIYを始める人や、手軽に使えるインパクトドライバーを探している人におすすめです。
マキタ インパクトドライバ TD110DSHSW(10.8V)
- 特徴: 日本を代表する電動工具メーカー、マキタの10.8V充電式インパクトドライバ。小型・軽量で取り回しがしやすく、初めてのインパクトドライバとしても扱いやすいモデルです。
- 電圧: 10.8V
- バッテリー容量: 1.5Ah
- 最大トルク: 110N・m
- 機能: LEDライト、無段変速、正逆転切替、防じん・防滴
- メリット:
- 10.8Vながら、最大トルクは110N・mと十分なパワー。
- 小型・軽量ボディで、狭い場所や上向き作業でも疲れにくい。
- 回転前点灯&残照機能付きのLEDライト搭載で、暗い場所でも作業しやすい。
- 耐久性に優れたマキタ製で、長く愛用できる。
- 気になる点:
- 18Vや14.4Vモデルと比べると、パワーや連続作業時間は劣る。
- バッテリー1個あたりの作業量が限られるため、長時間の作業には予備バッテリーが欲しいところ。
- こんな人におすすめ: 初めてインパクトドライバを購入する方、小型・軽量モデルを探している方、家具の組み立てやDIYなど、軽作業中心の方におすすめです。
大変申し訳ございません!「ブラックアンドデッカー 18V マルチツール EVO185」は、ご指摘の通りドリルドライバーでした。混乱を招く情報を記載してしまい、深くお詫び申し上げます。
パナソニックの小型インパクトドライバーの情報に差し替えて、再度執筆いたします。
パナソニック 充電スティックインパクトドライバー EZ7521
- 特徴: 業界初「High」「Low」2つの駆動モードで、作業用途に合わせた穴あけが可能。ネジ締めとドリルドライバーを使い分け、作業効率を挙げられます。
- 電圧: 7.2V
- バッテリー容量: 1.5Ah
- 最大トルク: 25N・m
- 機能: LEDライト、オートストップ機能、手締め機能
- メリット:
- 狭所作業に強い、スティックタイプのインパクトドライバー。
- いざという時、手回しドライバーとしても使用可能。
- オートストップ機能で、クラッチが効き、過剰な締め付けを防ぎます。
- 気になる点:
- 電圧とトルクは控えめなので、パワーが必要な作業には不向き。
- 今回紹介するモデルの中では、小型ですがスティック型なので、長いと感じる場合がある。
- こんな人におすすめ: 狭い場所での作業が多い方、家具の組み立てや、ちょっとしたDIYにおすすめです。
パナソニックのインパクトは電気屋さんがよく使ってるイメージだよね
それだけマキタにも負けないくらいの信頼度のあるメーカーだね
アイリスオーヤマ 充電式 インパクトドライバー JID80
- 特徴: 手頃な価格で人気のアイリスオーヤマのインパクトドライバー。シンプル設計で、初めてでも簡単に使えます。
- 電圧: 10.8V
- バッテリー容量: 1.5Ah
- 最大トルク: 80N・m
- 機能: LEDライト、無段変速、正逆転切替
- メリット:
- 今回紹介するモデルの中では、最も安価です。
- 軽量で取り回しがしやすい。
- 気になる点:
- パワーは控えめなので、本格的なDIYには物足りないかもしれません。
- こんな人におすすめ: とにかく安価なモデルを探している人や、DIY入門用におすすめです。
DIY向けインパクトドライバー おすすめ5選 比較表
メーカー | 型番 | 電圧(V) | バッテリー<br>容量(Ah) | 最大トルク<br>(N・m) | 主な機能 | メリット | 気になる点 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マキタ | TD173DRGX | 18 | 6.0 | 180 | LED、無段変速、打撃力切替(4段階)、正逆転、防塵・防滴 | 高性能、高出力。バッテリー長持ち。4段階打撃力切替。 | 高価格 | 頻繁にDIYで使う人、パワー重視の人 |
HiKOKI | FWH14DF | 14.4 | 2.0 | 150 | LED、無段変速、正逆転 | 手頃な価格。全長が短く扱いやすい。 | バッテリー容量が少なめ | これからDIYを始める人、手軽に使いたい人 |
マキタ | TD110DSHSW | 10.8 | 1.5 | 110 | LED、無段変速、正逆転、防じん・防滴 | 十分なパワー。小型・軽量。回転前点灯&残照機能付きLED。高耐久。 | 18Vや14.4Vモデルに比べパワーや作業時間は劣る | 初めての購入、小型・軽量モデル希望、軽作業中心の方 |
パナソニック | EZ7521 | 7.2 | 1.5 | 25 | LED、オートストップ、手締め | スティックタイプで狭所作業に強い。手回しドライバーとしても使用可。過剰な締め付け防止のオートストップ機能付き。 | パワーは控えめ。長さがある | 狭い場所での作業が多い方、家具の組み立てなど |
アイリスオーヤマ | JID80 | 10.8 | 1.5 | 80 | LED、無段変速、正逆転 | 軽量で扱いやすい。 | パワー控えめ | とにかく安価なモデルを探している人、DIY入門用 |
4. インパクトドライバーを長く使うために:メンテナンス方法
お気に入りのインパクトドライバーを長く使うためには、日頃のメンテナンスが重要です。
- 使用後は清掃する: 使用後は、本体やビットに付着した木くずやホコリなどを、ブラシや布で拭き取りましょう。
- バッテリーの保管: バッテリーは高温多湿を避け、涼しい場所で保管しましょう。長期間使用しない場合は、フル充電ではなく、50%程度充電した状態で保管することをおすすめします。また、バッテリーは高温になりやすい所(夏場の車内など)に決して放置しないように気を付けましょう。
- 定期的な点検: 本体やバッテリーに異常がないか、定期的に点検しましょう。異音や異臭がする場合は、使用を中止し、メーカーや販売店に相談してください。
5. 自分に合ったインパクトドライバーで、DIYをもっと楽しく!
インパクトドライバーは、DIYの幅を広げてくれる便利な工具です。ぜひこの記事を参考に、電圧、バッテリー容量、最大トルク、機能、価格などを比較して、あなたのDIYスタイルにぴったりの一台を見つけてください。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、専門的なアドバイスではありません。インパクトドライバーの購入・使用に関する最終的な判断は、ご自身で行ってください。また、本記事の内容に基づいて発生したいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。
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